どうも、森絵都さん大好きな(@Shintaro_Sakata)です!
森絵都さんの小説は高校生から好きで全部読んでます。
森絵都さんを知らない人でも、映画やアニメになった『カラフル』、テレビドラマの『風に舞い上がるビニールシート』、今年2017年アニメの『DIVE!!』(DIVE!!は昔ドラマにもありましたね)を知っている人も多いのではないでしょうか。
森絵都さんの作品は、どれも心情の描写が緻密で心動かされるものばかりです。
児童文学などの作品も書いてらっしゃいますが、少年少女の心の機微の描写が緻密で、こどもの頃に思っていたことや感じていたことを森絵都作品は思い出させてくれます。
森絵都さん好きを増やすために今回はおすすめの本を紹介します。(順不同)
この記事の目次
森絵都さんとは
1968年東京生まれで、1990年のデビュー作『リズム』で講談社児童文学新人賞受賞。(僕の生まれた年だ!)
その後は1995年に『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、1999年には皆さんご存知の『カラフル』で産経児童出版文化賞を受賞しています。
『DIVE!!』は2003年で小学館児童出版文化賞したものですが、今年のアニメになっているように森絵都作品がいかに長く愛されているかわかりますね。
2006年には『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞。(誰もが納得の直木賞)
2017年の最近では『みかづき』で中央公論文学賞も受賞しました。
他にも様々な受賞歴があり、小説だけではなく、絵本やエッセイなど様々な分野で活躍してらっしゃいます。
おすすめ作品
永遠の出口
「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」紀子。小学三年生から高校三年生までの誕生日会、担任の先生、親への反発、バイトで起こったこと、初恋、などなどの事件から紀子の人生を描いた作品。
「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」というように、永遠という響きに弱かった紀子の小学校から高校3年生までを描いた作品です。
僕は高校生のときの現代文の試験で第六章の「時の雨」でこの作品に、そして森絵都に出会いました。この第六章で出てくるお寺には何度も行きました。
作中でも出てくる「時雨紅葉」は本当に美しかったです。
最後に紀子が見つける「永遠の出口」をどうしても皆に知ってほしいけど、さすがに控えます。(皆読んでくれー!)
ラン
家族を事故で失った環。ある日、もらった自転車で異世界に紛れ込んでしまう。そこで死んだはずの家族と再会する。異世界へと運んでくれる自転車を手放すことになる環は、家族に会いたい一心で家族のいる世界に自分の足で走ることを決めるが。。
ランの主人公である環は家族に会うために走ることを始め、そこで出会う人々から様々なことを学び取っていきます。
SFチックな話ではありますが、環の日常とあの世の家族という非日常が絶妙に交わり読んでて不思議な感覚になるかもです。
ラストと環の成長に感動させられます。
DIVE!!
ダイビングに魅了された少年たちの物語。ダイビングクラブを舞台にコーチとオリンピックを目指す少年達が描かれています。
爽やかな青春スポ根小説。
高さ10m、時速60kmの降下、僅か 1.4秒の空中演技という一瞬の競技、ダイビングに向き合う少年少女に胸が熱くなります。
森絵都さんの圧倒的な表現力で主人公たちと一緒にもう一度青春を感じられる作品です。
僕は剣道と弓道をやっていたので、こういう爽やかな競技に憧れます。特に剣道大変だったなあ。(遠い目)
異国のおじさんを伴う
全10篇(藤巻さんの道/夜の空隙を埋める/クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の・・・・/クジラ見/竜宮/思い出ぴろり/ラストシーン/桂川里香子、危機一髪/母の北上/異国のおじさんを伴う)からなる、短編集。表題の「異国のおじさんを伴う」はオーストリアの民芸品”ひげ人形”を小説にした主人公がひげ人形愛好会にミュンヘンに招待される物語。
「藤巻さんの道」「夜の空隙を埋める」「桂川里香子、危機一髪」がお気に入りです。
全体を通して、誰かの気持ちに寄り添ってくれる小説だと思います。
「藤巻さんの道」ででてくる『道のむこう』という本は現実にそんざいする本で、私も購入しました。
物語の登場人物と同じ本を読むというのはなんか不思議な気分です。
リズム
中学1年生のさゆきと、近所に住むいとこの真ちゃんの話。ある日さゆきちゃんは、真ちゃんの両親が離婚するかもしれないという話を聞いてしまうが。。
中学生の不安定な心、いつまでも同じではいられない、変わる周りの環境や人の気持ちに揺れ動くさゆきに、
「自分のリズムを大切にしろよ。
一番大切なのはリズムなんだ」
大事にするべきことは、「自分のリズム」だと真ちゃんは教えてくれます。
自分もしんちゃんなので、名前の親近感もすごかった。
自分のペースで生きられているかを考えさせてくれる作品です。
カラフル
生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた「ぼく」が天使業界の抽選にあたり、中学三年生の少年「小林真」の体にホームステイし、 自分の罪を思い出す物語。
「ぼく」が最悪の人生を生きる真として過ごすうちに、家族やクラスメイトとの関係が変わっていきます。
この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。どれがほんとの色だかわからなくて。どれが自分の色だかわからなくて。
色んなことがあるそんな人生、生きていることは素晴らしいこともあるんだと教えてくれる作品です。
映画も良かった。
主題歌に尾崎豊の「僕が僕であるために」が使われていたのが映画館でまた涙を誘いました。
いつかパラソルの下で
主人公は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の死後に父の浮気を知り、真偽を追求するためにも、父のルーツを探しいく物語。
って主人公25歳って今の自分より年齢下になってるやん!って今書いててなります。
読んでた小説の主人公の年を追い越すっていつ味わっても衝撃ですよね。
父の浮気の原因と思われた「暗い血」、父のルーツを巡りながら自分の人生を歩きはじめる物語です。
この作品の結末はある意味衝撃です。でもその結末にすべてが集約されています。
この物語の中にある文章、
愛しても、愛しても、私自身はこの世界から愛されていないような、そんな気が心のどこかでいつもしていた。受け入れても、受け入れても、私自身は受け入れられていない気がしていた。
誰の娘であろうと、どんな血を引こうと、濡れようが濡れまいが、イカが好きでも嫌いでも、人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。
様々なことに悩んで苦しんでいた時期に、
「人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。」
という部分を読んで、本当に良い意味でショックを受けました。何度も泣きました。
決して人生を悲観する話ではありません、むしろ人生を強く生きる物語です。
幸せが人間として常ではなく、人は等しく孤独で、人生は泥沼で、思い通りにいかないこともある、それが人生でそこから逃げることは出来ない、そういう風に理解することで、また人間は前にすすめるものだと思います。
この感動は最初から最後まで読まないと伝わらないと思うので、本当に読んでほしい。
風に舞い上がるビニールシート
全6編(器を探して、犬の散歩、守護神、鐘の音、ジェネレーションX、風に舞い上がるビニールシート)からなる物語。
パティシエのアシスタントが器を探したり、犬のお世話で家族と心かよわせたり、それぞれの話がありますが、共通するのは、自分の価値観を大切にして人生を生きる人々を描いている点だと思います。
どの作品もとても魅力的ですが、風に舞い上がるビニールシートは特におすすめです。
風に舞い上がるビニールシートはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の事務方で働く里佳、そしてその上司エドの物語です。
里香とエドは結婚することになるのですが、里香は夫婦のあり方について、そして難民に対しての向き合い方を考えていくようになります。
ビニールシートが風に舞う。獰猛な一陣に翻り、揉まれ、煽られ、もみくしゃになって宙を舞う。天を塞ぐ暗雲のように無数にひしめきあっている。雲行きは絶望的に怪しく、風は暴力的に激しい。吹けば飛ぶようなビニールシートはどこまでも飛んでいく。とりかえしのつかない彼方へ追いやられる前に、虚空にその身を引き裂かれないうちに、誰かが手をさしのべて引き留めなければならない。
クールな里香と情熱的なエド。
最後に里香は、ある決断をします。
私自身、大学では国際関係専攻でしたし、ベトナムでもたくさんの難民が出てていますので、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の話はとても考えることがありました。
読んで絶対に損はないです!
最後に
いかがでしたでしょうか。
僕の文章の稚拙さで良さが全く伝わらなかったのであれば本当に申し訳ないところです。(特にあらすじの説明は本当に難しい)
気になるものがあれば読んでみてください!そして一緒に語り合いましょう!
それではまた!
コメントを残す